diff --git a/wip/dsp.md b/wip/dsp.md index 8b288bc..24d46d9 100644 --- a/wip/dsp.md +++ b/wip/dsp.md @@ -184,8 +184,10 @@ $S(\omega)$ はその内訳である。どの周波数の成分がどれだけ ### 4. フィルタ -フィルタは線形時不変システムの実用的な例である。 -フーリエ変換の言葉で言えば、フィルタとは信号のスペクトルを形作るシステムである。 +信号は原理的に無限の周波数成分を持ちうると述べた。 +実用上、その全てが必要なことはまずない。例えば人間の聴覚はおよそ20kHzまでしか知覚できない。 +聞こえない成分を保持する理由はない。必要な帯域だけを残し、不要な成分を落とす。それがフィルタの仕事である。 +フィルタは線形時不変システムであり、フーリエ変換の言葉で言えば、信号のスペクトルを形作るシステムである。 フィルタを特徴づけるのは周波数応答 $H(\omega)$(エイチ オメガ)である。 これはインパルス応答 $h(t)$ をフーリエ変換したものである。 @@ -202,8 +204,8 @@ $S(\omega)$ はその内訳である。どの周波数の成分がどれだけ ### 5. 離散時間 -ここで話題を変える。これまでの議論は連続時間を前提としていた。 -デジタルシステムは連続信号をそのまま扱えない。離散化が必要になる。 +帯域の問題がもう一度現れる。ただし今度は選べない。 +これまでの議論は連続時間を前提としていた。デジタルシステムは連続信号をそのまま扱えない。離散化が必要になる。 離散化には二つの軸がある。振幅軸と時間軸である。 @@ -226,7 +228,9 @@ $N$ ビットのシステムは $2^N$ 個の離散的な振幅レベルを持つ ナイキストの定理が、これを定量化する。 サンプリング周波数を $F_s$ としたとき、$F_s/2$ より低い周波数成分は忠実に再構成できる。 -定理が言うのはそれだけである。$F_s$ をどこに設定すべきかは、定理が教えてくれることではない。用途が決める。 +人間の聴覚がおよそ20kHzまでであることを思い出すと、$F_s$ が40kHzを超えていれば聞こえる範囲はカバーできる。 +余裕を持たせて、一般的には44.1kHzや48kHzが使われる。192kHzは人間以外の何かのためにあるのだろう。 +定理が言うのはそれだけである。$F_s$ をどこに設定すべきかは用途が決める。 $F_s/2$ を超える成分は再構成できない。これをエイリアシングと呼ぶ。 補足しておく。この離散化によって、線形時不変システムの性質が崩れるわけではない。